勤労に感謝の日

ちょっと前にDLした、ipad版京極夏彦「死ねばいいのに」を読了。
ママンは京極堂シリーズが好きなので、それ以外の京極小説はあんまりお気に召さなかった模様。

でも読んでみると、独特のリズムや言い回しはやっぱり京極節。

一人の女性の死があって、その女性の事を関係者に聞いて回る若い男性ケンヤ。いわゆる今時の若者で、〜っスよ、とか、そんな言葉遣い。礼儀もなってない。常識もない。彼と話す各章の登場人物はそんな彼を最初は見下すんだけど…。

途中で話のオチは読めてしまうかもしれないけど、それでもなんかこう足元を掬われるというか、自分の立ち位置というか視点というか、そいうのがくるんとひっくり返されたようなそんな気持ちになった。

本でもなんでも、物語を読む時はどうしても誰かしらにある程度の感情移入があると思う。この場合、各章毎の登場人物での語りというスタイルなので最初はケンヤ側ではなかった。けれど読み進める内に常に登場するケンヤ側になっていき、そして最後の最後でまたいきなり突き放された気分。その変な不安な気持ちが余韻として残る作品。

ここまで書いておきながら以下ネタバレ
2010.11.24 Wednesday 10:02 | comments (4) | - | ネット